みなみかた
■花菖蒲の郷公園
花菖蒲の郷公園は、昭和50年から新川花菖蒲園として親しまれたものを、よりよい環境で観賞できるように新川から全面移植し、全国から優良品種を集めて平成15年6月に開園しました。約5ヘクタールにもおよぶ公園には、幻の花「花且美」など300種、80万本の花菖蒲が咲き誇り日本庭園とあわせて四季折々の趣を味わうことができます。
広大な敷地内には、緑の芝生と森の中で不思議なアートに遭遇します。日本・フランス、スウェーデンなど、世界で活躍するアーティストたちが現地製作した独創的な現代彫刻とデザインが十点余り点在し、南方の大地と空を背景にした野外美術館となっており、太陽と緑の中で、心豊な憩いのひとときを過ごすことができます。
■千年の時を越え、町を見守る奥州三十三大観音大嶽山興福寺
緑濃い大嶽山には「大嶽の観音さん」と呼ばれ親しまれている奥州三十三観音大嶽興福寺があります。度重なる焼失により古記録もなく由緒は不明で、一説では平安時代に一帯を支配していた豪族・大武丸を八百七年に征夷大将軍・坂上田村麻呂が討伐、亡骸を葬った塚の上に観音堂を建てたのが始まりではないかと伝えられています。
山門をくぐり森閑とした境内に入ると、そこは杉に囲まれた観音堂と、周囲には薬師堂、白山堂、鐘楼、そして六角堂などが、それぞれの歴史を感じさせるように、ひっそりとたたずんでいます。
観音堂外壁の板壁に刻まれた、中国の「二十四孝物語」の彫り物は、長年の風雪に耐えてきた彫り物が平成11年から平成12年にかけて、財団法人日光社寺文化財保存会の彩色漆技術員の管理のもと、今再び、色鮮やかな姿によみがえりました。
六角堂は、その名のごとく、六角形の青い屋根に二階建ての土蔵造りで、伝統を尊ぶ仏堂に洋風の建築様式が加えられた珍しいものです。モダンなのに周囲の風景にしっくりなじんでいて、不思議な空間を演出しています。